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Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド
リリース7.0
E05167-01
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TimesTen Client/Serverデーモンのオプションの管理

この項の内容は次のとおりです。

TimesTen Serverデーモンのオプションの変更

TimesTen Serverは、バックグラウンドで常時稼働しているTimesTenデーモンのサブデーモンです。TimesTen Serverデーモンのオプションを変更するには、次の手順を実行します。

  1. TimesTen Serverを停止します。
  2. 次の項の説明に従って、ttendaemon.optionsファイル内のオプションを変更します。
  3. TimesTen Serverを再起動します。

TimesTen Serverデーモンの制御

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に指定する-server portnoエントリは、TimesTen Serverデーモンを起動するようにTimesTenデーモンに指示するとともに、使用するポートも指示します。portnoは、サーバーでリスニングされるポート番号です。

TimesTen Serverがインストールされている場合は、次の方法でTimesTen Serverデーモンを有効または無効にできます。

TimesTen Serverプロセスの事前生成

各TimesTen Client接続に、1つのサーバー・プロセスが必要です。デフォルトでは、クライアントが接続をリクエストするとサーバー・プロセスが生成されます。

予約サーバー・プロセスのプールを事前に生成して、クライアント接続ですぐに使用することができます。これによって、クライアント/サーバー接続のパフォーマンスが向上します。

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に指定する-serverpool numberエントリは、TimesTen Serverデーモンでnumberプロセスを作成するようにサーバー・マシンに指示します。このオプションを指定しない場合、プロセスは事前に生成されず、予約プールに保存されます。

新しい接続のリクエスト時に、サーバー・プールにプロセスが存在しない場合は、オペレーティング・システムの制限に達していないかぎり、新しいプロセスが起動されます。

オペレーティング・システムで処理可能な数を超えるプロセスをリクエストすると、警告が戻されます。リクエストしたプロセスの数に関係なく、予約プールにプロセスが残っていなくても、システムで使用可能なプロセスが存在しない場合にクライアントが接続をリクエストしないかぎり、エラーは発生しません。


注意: これらの変更は、TimesTenデーモンを再起動するまで発生しません。

クライアント/サーバーIPCでの共有メモリーの使用方法

デフォルトでは、TimesTenは、TimesTen ClientドライバにリンクされたアプリケーションとTimesTen Server間でTCP/IP通信を使用します。

クライアント・アプリケーションがTimesTen Serverと同じマシン上にある場合は、プロセス間通信(IPC)に共有メモリーを使用することもできます。

これは、パフォーマンスの向上、または32ビットのクライアント・アプリケーションとサーバー上の64ビットのデータ・ストアの通信を可能にする点で有効な場合があります。共有メモリーをIPCとして使用する前に、システムが正しく構成されていることを検証します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション・ガイド』のTimesTenのインストールに関する説明のインストールの前提条件を参照してください。

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に指定する-serverShmIpcエントリは、IPCの共有メモリー・セグメントを使用するクライアント接続を受け入れるようにTimesTen Serverデーモンに指示します。

このエントリがない場合は、この行をttendaemon.optionsファイルに追加します。TimesTenデーモンを再起動すると、共有メモリーのIPC機能付きでTimesTen Serverデーモンが起動されます。

このエントリがある場合は、ttendaemon.optionsファイルの行の前に#記号を追加してコメント・アウトします。これで、TimesTenデーモンの起動時に、TimesTen Serverが共有メモリーのIPC機能付きで起動されなくなります。


注意: TimesTenでは、共有メモリーのIPC対応サーバーの最大16の異なるインスタンスがサポートされています。アプリケーションで16を超えて異なる共有メモリー・セグメントに接続しようとすると、ODBCエラーが戻されます。

共有メモリー・セグメントのサイズの管理

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に指定する-serverShmSize sizeエントリは、指定したサイズ(MB)の共有メモリー・セグメントを作成するようにTimesTen Serverデーモンに指示します。

このエントリがない場合、TimesTen Serverデーモンは64MBの共有メモリー・セグメントを作成します。

共有メモリー・セグメントの適切な値は、次の要因によって異なります。

共有メモリー・セグメントのサイズを決定するためのガイドラインには、次の内容が含まれます。

たとえば、ユーザー・アプリケーションで最大100の同時共有メモリー対応のクライアント/サーバー接続が想定される場合、および各接続に最大50の文があると想定され、最大の問合せによって128KBのデータが戻される場合は、次の計算式を使用してserverShmSizeを設定します。

serverShmSize = 1 MB + (100 * 16) KB + (100 * 50 * 128) KB

              = 1 MB + 2 MB + 625 MB =  628 MB

これは、この例に必要な最大のメモリーです。100すべての接続のそれぞれに50文が含まれ、それらの各文に、結果行に128KBのデータを戻す問合せが含まれている場合にのみ、メモリー・セグメント全体が使用されます。

この例で、serverShmSizeを128MBに設定した場合、新しい共有メモリー対応クライアント/サーバー接続がTimesTen Serverによって拒否されるか、または共有メモリー・セグメント内のリソース不足が原因で問合せに失敗する場合があります

共有メモリー・セグメントのサイズの変更

設定した共有メモリー・セグメントの値を変更するには、TimesTen Serverを停止する必要があります。サーバーを停止すると、TimesTen Serverのインスタンスに関連付けられているすべてのデータ・ストアへの既存のクライアント/サーバー接続が切断されます。-serverShmSizeオプションの値を変更するには、次の手順を実行します。

  1. ttendaemon.optionsファイルの-serverShmSizeの値を変更します。
  2. ttDaemonAdminユーティリティを使用して、TimesTen Serverを再起動します。

TimesTen Serverログ・メッセージの制御

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に指定する-noserverlogエントリは、クライアント・アプリケーションとの間の接続および切断のロギングを無効にするようにTimesTenデーモンに指示します。

TimesTen Serverがインストールされている場合は、次の方法で接続および切断に関するメッセージのロギングを有効または無効にできます。

以前のバージョンのTimesTenとの通信

TimesTen 7.0では、クライアントとサーバーの間、およびレプリケーション・デーモン間の通信プロトコルのセキュリティが以前のバージョンと比較して大幅に向上しました。このため、通常、低セキュリティのプロトコルを使用している以前のバージョンTimesTenで、TimesTen 7.0と通信することはできません。ただし、データ・ストアのオンライン・アップグレードを行う場合などは、低セキュリティの以前のバージョンのTimesTenでTimesTen 7.0と通信できるようにする必要があります。

TimesTen 7.0と以前のバージョンのTimesTen間のクライアント/サーバー通信およびレプリケーション通信を可能にするには、ttendaemon.optionsファイルに次の個別の行を追加します。

-insecure-backwards-compat


注意: -insecure-backwards-compatオプションを使用すると、TimesTenインストールのセキュリティが低下します。このオプションは、必要な場合にのみ使用し、必要がなくなり次第使用を中止するようにしてください。